专利摘要:
本発明は、300℃で、約21,500〜約28,000Pa・sのゼロせん断粘度を有するポリフェニレンスルフィドポリマーを含むスパンボンド繊維に関する。
公开号:JP2011508099A
申请号:JP2010539773
申请日:2008-12-18
公开日:2011-03-10
发明作者:ポール;エリス;ジュニア ローリン
申请人:イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company;
IPC主号:D04H3-16
专利说明:

[0001] 本発明は、ポリフェニレンスルフィド繊維およびその繊維を含む製品の製造に関する。]
背景技術

[0002] 濾過プロセスは、流体流を濾過媒体に通過させて、一つの相の化合物を別の相の流体流から分離するために使われ、濾過媒体は、混入物もしくは懸濁物質を捕捉する。流体流は、固体粒子を含有する液体流でも、液体または固体エアロゾルを含有するガス流のいずれであってもよい。]
[0003] 例えば、フィルターは、焼却炉、石炭焚きボイラー、金属溶解炉等から排出されるダストを捕集する際に使用される。このようなフィルターは、一般的に、「バグフィルター」と呼ばれる。排気ガス温度は、高くなりうるので、上記の装置や同様の装置から排出される高温ダストの捕集に使われるバグフィルターには、耐熱性が必要である。バグフィルターは、化学的腐食環境でも使用されうる。このように、ダストを捕集する環境でも、耐薬品性を呈する材料で作製されたフィルターバッグが必要でありうる。一般的な濾過媒体の例として、アラミド繊維、ポリイミド繊維、フッ素繊維およびガラス繊維で形成された布帛が挙げられる。]
[0004] ポリフェニレンスルフィド(PPS)ポリマーは、耐熱性および耐薬品性を呈する。このため、PPSポリマーは、様々な用途において有用でありうる。例えば、PPSは、自動車、電気および電子デバイス、工業/機械製品、消費者製品等のための成形部品の製造に有用でありうる。]
[0005] PPSは、濾過媒体、難燃性製品、および高性能の複合材料用の繊維としての用途が提案されてきている。しかしながら、上記のポリマーの利点にもかかわらず、PPSでの繊維の製造には、困難が伴う。]
[0006] 商業的に有用な期間にわたってスパンボンドプロセスからPPS繊維を紡糸するのは、難しい。市販されているPPS樹脂は、スパンボンドプロセスに対して、非常に低い粘度か非常に高い粘度のいずれかを有する。低粘度のPPS樹脂は、繊維に過度の破断が生じまたスパンボンドウェブに欠陥が生じる。高粘度PPS樹脂は、押出機内に非常に多くのトルクが生じ、樹脂を紡糸できなくなる。]
発明が解決しようとする課題

[0007] 紡糸プロセスの最小限の中断で、連続的に紡糸できるPPS繊維を作製できるスパンボンドプロセスが、必要とされる。]
課題を解決するための手段

[0008] 本発明は、スパンボンドポリフェニレンスルフィド繊維を作製するための商業的に実現可能なプロセスを提供する。]
[0009] 本発明は、300℃で、約21,500〜約28,000Pa・sのゼロせん断粘度を有するポリフェニレンスルフィドポリマーを含むスパンボンド繊維に関する。]
[0010] 市販されているPPS樹脂を用いて、商業的な量のスパンボンドポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維を紡糸する試みは、成功していない。]
[0011] 本発明は、最小限の紡糸欠陥で、延長された紡糸作動を可能にする、特定のゼロせん断粘度を有するポリフェニレンスルフィドポリマーを含むスパンボンド繊維に関する。スパンボンドPPS繊維が、300℃で、約21,500〜約28,000Pa・sのゼロせん断粘度を有するポリフェニレンスルフィドポリマーを用いて作製されることが可能であることが見出された。]
[0012] 300℃で、約21,500〜約28,000Pa・sのゼロせん断粘度を有するPPS樹脂を試験用に入手できないので、300℃で、約21,500〜約28,000Pa・sのゼロせん断粘度を有するブレンドしたPPS樹脂を作製するために、2種の市販されている(高粘度を有するPPS樹脂と低粘度を有するPPS樹脂)を一緒にブレンドした。最小限の紡糸欠陥で、商業的に許容できる紡糸時間で、ブレンドしたPPS樹脂を首尾よくスパンボンドした。300℃で、約21,500〜約28,000Pa・sのゼロせん断粘度は、本発明に適しているが、300℃で、約22,500〜約27,000Pa・sのせん断粘度が好ましく、300℃で、約23,500〜約26,000Pa・sのせん断粘度が最も好ましい。]
[0013] 当分野で公知である任意の標準スパンボンドプロセスが、本発明に適しているであろうことに留意されたい。本発明のPPS繊維は、約50マイクロメートル未満の平均繊維直径、さらに好ましくは約20マイクロメートル未満の平均繊維直径を有することができる。繊維は、一般的に、ほぼ円形の断面を有するが、他の断面(例、多葉断面)は、当業者には公知であろうように、作製されうる。]
[0014] 本発明のスパンボンド繊維は、典型的には、コレクターまたはスクリーン上のウェブ内に捕集される。本発明の特に有利な一態様において、ウェブは、濾過媒体を製造するために使用される。この実施形態において、本発明の繊維は、良好な耐熱性と耐薬品性を呈することが可能である。繊維は、良好な可撓性や引張強さも呈することが可能であり、腐蝕および/または高温環境において使用される製品を製造するために処理されうる。]
[0015] 試験方法
以下の通りに、ゼロせん断粘度を算出した。Fortron PPS 0309 C4とFortron PPS 0317 C1の粘度を、300℃で、いくつかの異なるせん断速度で、個々に測定した。その後、粘度データからゼロせん断での粘度を推定した。粘度とポリマー濃度を関連づけるArrhenius等式から導かれる下の等式を用いて、ブレンドの粘度を概算した。
log粘度(ブレンド)=(n log粘度(ポリマー1)+(100−n)log粘度(ポリマー2))/100]
[0016] 繊維直径を以下のように測定した。繊維の束を減衰ジェット(attenuating jet)の真下に注意深く捕集した。次に、光学顕微鏡で検査するために、繊維の束を準備した。それから、コンピューターを用いて、繊維束のデジタル画像を撮った。少なくとも30の明確に識別可能な微細繊維の直径を写真から測定し、記録した。欠陥は含まれなかった(つまり、微細繊維の塊、ポリマー滴、微細繊維の交差)。各試料の繊維直径の平均を計算した。]
[0017] 本発明は、以下の実施例(これに限定されない)によって、さらに例示される。]
[0018] 比較例A
この実施例において、ポリフェニレンスルフィドからスパンボンド布を作製した。ポリフェニレンスルフィド成分は、2.16kg負荷時、316℃で、101g/10分のメルトフローインデックスを有し、Fortron(登録商標)PPS 0309 C1として、Ticonaから入手可能である。この樹脂のゼロせん断粘度(300℃で測定)を、21,000Pa・sと算出した。]
[0019] ポリフェニレンスルフィド樹脂を、温度115℃で、含水量が150ppm未満まで、通気乾燥機内で乾燥した。ポリフェニレンスルフィド樹脂を295℃まで加熱した後、紡糸パックアセンブリに計量供給し、そこで、溶融流を濾過した後、分配板の束を介して分配して、円形断面を有する複数列のスパンボンド繊維を得た。]
[0020] 紡糸パックアセンブリは、4316本の円形毛細管開孔(155列、毛細管の数が22本〜28本まで異なる)で構成した。各毛細管は、0.35mmの直径と140mmの長さを有する。縦方向のパックの幅は、18.02cmであり、横方向の幅は、115.09cmであった。紡糸パックアセンブリを295℃まで加熱し、1.0g/孔/分のポリマー流量で各毛細管を介してポリマーを紡糸した。繊維を長さ122cmにわたって延在する直交流のクエンチ(cross flow quench)内で冷却した。短形スロットジェットによって、繊維の束に減衰力を提供した。紡糸プロセスを維持する間の達成可能なジェットの最大圧力は、70.3kPaであった。紡糸パックからジェットの入口までの距離は、92.45cmであった。ジェットから出る繊維を成形ベルト上に捕集した。ベルトの下を減圧して、繊維をベルトに固定させた。その後、エンボス加工ロールとアンビルロールの間でスパンボンド層を熱結合した。結合条件は、ロール温度148℃、ニップ圧300pliであった。熱結合した後、巻取機を用いて、スパンボンドシートをロール状に成形した。プロセスは、紡糸口金の表面の幅全体を横切って生じる多数のフィラメント切れによって特徴づけられる。これらのフィラメント切れが、シート製品に見つけられ、それらのサイズや種々の溶融挙動のため、シート材料の物理特性やバリア性に悪影響を及ぼすこともあるだろう。また、これらの切断されたフィラメントは、減衰ジェットが遮断されるまで、減衰ジェット上に捕集されて積み重ねられた。遮断されたジェットは、当然ながら、シート形成を乱すであろう。さらに、フィラメント切れは、ジェットを遮断させもしくは成形ベルトを汚染させる非減衰(un−attenuated)ポリマーを導く。ベルトは、繊維末端(fibrous tail)を含む高分子物質の残渣で汚され、それは、最終的にシートの欠陥イメージとなる。これらのフィラメント切れは、「スナップ(snap)」の傾向を有したので、紡糸口金表面もまた、反跳ポリマー(recoiling polymer)によって、汚染されるようになった。その後、スクラップによって、紡糸口金表面を整える必要があった。紡糸プロセスは不良であることが判明した。繊維の紡糸条件、紡糸性能、および特性を表に示す。]
[0021] 実施例1
Ticona樹脂Fortron(登録商標)PPS 0317 C1を添加することによって、Ticona樹脂Fortron(登録商標)PPS0309 C1を修正したことを除いて、比較例Aと同様に、実施例1を調製した。Fortron PPS 0317 C1は、31850Pa・sと算出されたゼロせん断粘度(300℃で測定)を有する。Fortron(登録商標)PPS 0317 C1を、10重量%の装填量でFortron(登録商標)PPS 0309 C1に均一にブレンドし、押出機のスロートに導入し、ゼロせん断粘度(300℃で測定)を22800Pa・sの計算値まで高めた。紡糸プロセスを維持する間の達成可能なジェットの最大圧力は、134.4kPaであった。フィラメント切れは依然観察されたが、その数および頻度は顕著に減少した。プロセスは、中断してジェットまたは紡糸口金表面を整える必要があるまで、約1時間または2時間安定して作動できた。]
[0022] 繊維の紡糸条件、紡糸性能、および特性を表に示す。]
[0023] 実施例2
Fortron(登録商標)PPS 0317 C1を、30重量%の装填量でFortron(登録商標)PPS 0309 C1に均一にブレンドしたことを除いて、実施例1と同様に実施例2を調製した。紡糸プロセスを維持する間の達成可能なジェットの最大圧力は、133.1kPaであった。紡糸の間に、フィラメント切れは全く観察されず、プロセスは、6時間を超えて連続して作動した。繊維の紡糸条件、紡糸性能、および特性を表に示す。]
[0024] 実施例3
安定した繊維紡糸を維持する間の達成可能なジェットの最高圧力が、209.6kPaであったと判明されたことを除いて、実施例2と同様に実施例3を調製した。紡糸の間に、フィラメント切れは全く観察されず、プロセスは、6時間を超えて連続して作動した。繊維の紡糸条件、紡糸性能、および特性を表に示す。]
[0025] 実施例4
流量を0.8ghmまで減少させたことを除いて、実施例3と同様に実施例4を調製した。フィラメント切れが観察されたが、それらの数は、顕著に減少され、発生の頻度は、断続的であった。プロセスは、中断してジェットまたは紡糸口金表面を整える必要があるまで、約4時間安定して作動できた。繊維の紡糸条件、紡糸性能、および特性を表に示す。]
[0026] 比較例B
本比較例において、ポリフェニレンスルフィド成分が、Ticona Fortron(登録商標)PPS 0317 C1であることを除いて、設備およびプロセス条件を比較例Aで説明した通りに、初めに設定した。樹脂は、スパンボンド銘柄として、販売されているが、その粘度は、加工するには高すぎる。当初の紡糸条件を修正して、繊維紡糸を改善しようと試みたが、成功しなかった。紡糸は、主として、欠陥によって特徴づけられる。欠陥(例、ドリップ、繊維破断、およびスローホール)。長時間にわたり欠陥のない紡糸ができる紡糸条件を見つけることができなかった。]
[0027] 表]
実施例

[0028] 表に示されるように、ほんの狭い範囲のゼロせん断粘度を有するPPSが、スパンボンドPPS繊維の製造用に実用的である。]
权利要求:

請求項1
300℃で、21,500〜28,000Pa・sのゼロせん断粘度を有するポリフェニレンスルフィドポリマーを含むスパンボンド繊維。
請求項2
前記ポリフェニレンスルフィドポリマーが、300℃で、22,500〜27,000Pa・sのゼロせん断粘度を有する請求項1に記載の繊維。
請求項3
前記ポリフェニレンスルフィドポリマーが、300℃で、23,500〜26,000Pa・sのゼロせん断粘度を有する請求項2に記載の繊維。
請求項4
前記繊維が、50マイクロメートル未満の平均繊維直径を有する請求項1に記載の繊維。
請求項5
前記繊維が、20マイクロメートル未満の平均繊維直径を有する請求項4に記載の繊維。
請求項6
前記繊維が、円形断面を有する請求項1に記載の繊維。
請求項7
前記繊維が、多葉断面を有する請求項1に記載の繊維。
請求項8
請求項1の繊維を含むウェブ。
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同族专利:
公开号 | 公开日
CN101903576A|2010-12-01|
WO2009085897A1|2009-07-09|
EP2235243A1|2010-10-06|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
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优先权:
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